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ほぼ毎日「人生をガラっと変える一冊」

読書で得た学びや、読書を通して考えたことを綴ります。

大人が読むべき絵本

星の王子さま(著:サン=テグジュペリ)

 

「なんだ、絵本か」と切り捨てたあなた。

<子供だった頃の自分を忘れた大人>になっている可能性があります。

星の王子さま」は1943年に出版され、70年以上経った今でも世界中で読み継がれている名作です。なぜ、「星の王子さま」は時代を超えて読み継がれるのか。知りたくないですか?

 

小さな惑星、B612に住む星の王子さま。彼はある出来事をきっかけに旅に出ます。

王子さまは6つの惑星に降り立ちます。それぞれの惑星に住人がいました。

  1. 王さま
  2. 大物気取りの男
  3. 酒びたりの男
  4. 実業家
  5. 点灯人
  6. 地理学者

これらの人々は、大人(子供だった頃の自分を忘れた大人)の象徴です。

ここから先は、身の回りの人にこういう人いないかな?と考えながら読み進めてみてください。

 

1. 王さま

「王の前であくびをするとは、なにごとか。」王さまが言った。「あくびは禁止だ」

王さまの前で、星の王子さまはあくびをしてしまう。

「ならば」と言い、王さまは星の王子さまにあくびを命じる。

でも、星の王子さまは緊張してあくびができない。

「それでは」と言い、今度はときにはあくびをしろと命じる。

この王さまは全てが自分の思い通りにならないと気が済まない。

全て思い通りにするためなら、命令もすぐ変更する。

こういうタイプって今現在上司にあたる人間に多いタイプなんじゃないかな。

 

2. 大物気取りの男

「称賛するよ」王子さまは、ちょっと肩をすくめて言った。「でも、どうしてそんなことがおもしろいの?」

こいつは、星の王子さまに何度も称賛してもらい、いい気分になる。

また、この男は黄色の目立つ帽子を被っている。

その理由は、称賛してもらったときに帽子を持ち上げて挨拶をするためだと言う。

この男は、人から称賛されたい。そのために必要なことだけをしている。

他人から評価されるための行動だけをする人間。身の回りにいませんか?

 

3. 酒びたりの男

この男に、王子さまは質問した。「なぜ飲んでいるの?」

男はこう答えた。「恥じているのを忘れるため。」

「何を恥じているの?」

「飲むことに恥じている!」

この男は人間の欲望のスパイラルを表している。

Aという欲を満たすためにA`という行動を行う。

次に、A`がBという欲を呼び起こし、B`という行動を行う。

そしてB`がAという欲を生み出す。

この<欲のスパイラル>から脱するには、一つ目の欲を抑制するしかないのだ。

 

4. 実業家

この男は、ずっと星の数を数えている。また、自分がその星たちを所有することを最初に思いついたから、自分はその星たちの<持ち主>であると主張した。

星の王子さまは質問した。星を持っていることは、何の役に立つの?

星を持っているとお金持ちになれるから。と実業家は答えた。

じゃあ、お金持ちになると何の役に立つの?

誰かが新しく見つけた星を買えるから。

これはさっきの酒びたりの男の<欲のスパイラル>の考えと似ている。

 

次に、星を数えてどうするの?と王子さまは質問する。

「管理する。数をかぞえ、またかぞえなおす」と実業家。「むずかしい仕事だ。でも私は、有能な人間だからな!」

星の王子さまは、こう反論した。

「ぼくは」ふたたび王子さまは言った。「花の持ち主だったから、毎日水をやっていた。三つの火山の持ち主だったから、毎週煤のそうじをしていた。火の消えたのも、そうじしていた。用心にこしたことはないものね。だから火山にとっても花にとっても、ぼくが持ち主で、役に立っていた。でもあなたは、星の役には立っていない・・・・」

「私が持ち主だ」と主張する人が本当の<持ち主>ではない。

何かの<持ち主>になるということは、その対象となるものを自分の手で大切に扱うことなのだ。

 

5. 点灯人

ガス灯に火をつけたり、火を消したりしている男。

なぜいま火を消したの?という質問に対して、

「そういう指示なんだ」と点灯人。

「わからないよ」と王子さま。

「わかる必要なんてない」点灯人は言った。「指示は指示だ。おはよう」

指示に従い続け、その指示の意味を考えていない男。

星の王子さまは唯一この男を褒めた。なぜなら、自分以外のことを頑張っているから。

この男は休みたいと言っている。しかし、1分1秒を争う仕事に追われ、休めない。

こんな状況、日本の企業で働く人に多いと思う。

 

6. 地理学者

この男は、地図を作っているが、実際の場所に行ったことはないし、行く気もない。

「そのとおり。だが私は探検家ではない。ここでは探検家の数が、まったくもって不足しておる。街や川や、山や海や、もっと大きな海洋で、砂漠をかぞえるのは、地理学者ではない。地理学者の仕事は重要だから、ぶらぶら出ていくわけにはいかんのだ。ずっと研究室にいて、探検家たちが来れば会う。いろいろ質問して、探検家たちの話を書きとめておく。そうしてそのうちのどれかに興味をひかれたら、その探検家がしっかりした人物かどうか、調べさせる。」

この男はどこに何があるかを記録するだけで、実際の地に足を運ぶことはない。

探検家に発見させ、自分はそれを本にまとめるだけ。

自分が研究している対象物を実際に見たことがない。

学者だけではなく、こんな人、たくさんいると思う。

 

番外編:僕の人生観を変えた2つのエピソード

6つの惑星の住人たちは、それぞれ違ったタイプの大人を表しています。

その中で僕に響いたのは実業家と地理学者です。

 

実業家は、数字ばかり追いかけている投資家に見えました。

金を投資し、金が増え、金をまた投資に使う。まさに<欲のスパイラル>。

金があれば、たくさんのモノが買えて、物質的には豊かになります。

でも、その先になにがあるのでしょう?

前回の「人生ドラクエ化マニュアル」では、「ゲームオーバールール」があると説明しました。詳しくはこちら。

死んだときにすべての金が没収されるなら、金稼ぎをゲーム目的にしても意味がないんですよね。

 

地理学者は、心理学者や心理学を学ぶ人々全般に見えました。

僕も、たくさんの人と仲良くなりたくて、心理学を勉強しました。

でも、この地理学者の話を知って、

僕は今まで心理学の本を読みながら、人を知った気になっていましたが、

本当の人を知るためには、実際に人と触れ合うしかないんだ。ということに気づけました。 

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)